「ウォーキングはダイエットに効果的?」
「1ヶ月ウォーキングすれば、どれだけ痩せるの?」
「どれくらいの時間と頻度でウォーキングすればいい?」
運動がダイエットに効果的なのは言うまでもありません。数多くの研究でも、その効果が実証されています。(参考論文:Physical Activity and the Prevention of Weight Gain in Adults: A Systematic Review)
なかでもウォーキングは、お金もかからず、すぐに始められて、誰にでもできる運動方法の1つです。(参考:National Institutes of Health, How many steps for better health?)
ですが、手軽にできる反面、ウォーキングはそこまで激しい運動ではありません。実際、どこまでダイエット効果があるのでしょうか?
1ヶ月ウォーキングをすればどれぐらい痩せるのでしょうか?
この記事では、「ウォーキングのダイエット効果」や「効果的なやり方」について詳しく解説しました。
結論からいえば、ウォーキングはダイエットに十分効果的な運動です。習慣的にしっかりとおこなえば、体重はきちんと落とせます。
また、ウォーキングには日常生活のスキマ時間にできるので「習慣にしやすい」というメリットがあります。
これを読んで、ぜひ、ウォーキングを生活の一部に取り入れてみてください。
せいじ
NSCA認定パーソナルトレーナー(国際資格)/ダイエットまっぷ運営・執筆者/オンラインダイエット指導 BeShape 代表/健康運動実践指導者/学生時代にスポーツ医科学を専攻し、有名実業団チームのトレーナーとして経験を積む。その後、留学などを経て独立/大阪生まれの30代/趣味は読書と旅行
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1ヶ月のウォーキングでどれだけ痩せるのか?
ウォーキングをすると、1ヶ月でどれだけ痩せるのでしょうか?
たとえば、次のような研究で、ウォーキングのダイエット効果が確認されています。
2014年の「Journal of Exercise Nutrition & Biochemistry(運動栄養学・生化学ジャーナル)」で報告された研究では、10名肥満女性の方に、50~70分のウォーキングを週3回、12週間(3ヶ月)続けてもらいました。
結果は、体重は平均2.7kg減り、体脂肪は平均1.5%減り、ウエスト周りは平均2.8cm小さくなりました。
(根拠論文:Effect of walking exercise on abdominal fat, insulin resistance and serum cytokines in obese women)
1ヶ月あたり体重は0.9kg減った計算になります。
古い研究ですが、1987年のカリフォルニア大学による研究では、11名の普通体重の女性に、ウォーキング(速歩き)を毎日、6ヶ月間続けてもらいました。ウォーキング時間は徐々に長くしていき、最大で1日1時間となりました。
結果は、平均7.7kg(平均10%)の体重が減りました。
(根拠論文:Weight loss without dietary restriction: efficacy of different forms of aerobic exercise)
1ヶ月あたり体重は約1.28kg減った計算になります。
これら研究の結果が示すところでは、1時間ぐらいのウォーキングを週3回以上、継続的におこなえば、「1ヶ月で1kg前後」の体重が減るようです。
ウォーキング1ヶ月でダイエットができる理由
上記の研究が示すように、ウォーキングは、しっかりと継続的におこなえば、ダイエットに効果的です。
なぜ、ウォーキングで体重が減るのかというと、次の3つの理由があります。
- カロリーを消費する
- 筋肉量をキープできる
- 内臓脂肪が燃える
それぞれ解説していきます。
カロリーを消費する
よく知られているように、摂取カロリーよりも、消費カロリーが大きくなれば、体重は減ります。(参考論文:Is There an Optimal Diet for Weight Management and Metabolic Health?)
ウォーキングはそれなりにカロリーを消費するので、ダイエットにつながります。
たとえば、「1時間のウォーキングの消費カロリー」は、次のとおりです。体重と歩行速度が大きくなればなるほど、消費カロリーも大きくなります。(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット 活動量の評価法、参考:国立健康・栄養研究所 改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』)
体重/歩行速度 | ゆっくり(時速3.2km) | 普通(時速4.5km) | 速く(時速5.6km) |
50kg | 147kcal | 184kcal | 226kcal |
60kg | 176kcal | 221kcal | 271kcal |
70kg | 206kcal | 257kcal | 316kcal |
なお、気温、年齢、性別などによっても、消費カロリーは影響をうけます。(参考論文:Assessment of Physical Activity and Energy Expenditure: An Overview of Objective Measures)
ウォーキングの消費カロリーは、他の運動と比べて、小さくはありません。
2012年のカリフォルニア州立大学による、距離1.6kmのウォーキング(速歩き)とランニングの消費カロリーを比べた研究では、速歩きの消費カロリーは90kcalでした。一方で、ランニングは、ウォーキングよりも23kcalだけ多くカロリーを消費しました。
(根拠論文:Energy expenditure comparison between walking and running in average fitness individuals)
この結果が示すのは、ランニングの方が当然ながら消費カロリーは多いものの、ウォーキングでも十分な消費カロリーがあるということです。
筋肉量をキープできる
カロリー制限ダイエットをすると、体重は減りますが、同時に筋肉量も落ちてしまうことがあります。
筋肉は基礎代謝によって、カロリーを消費するので、筋肉量が落ちると、ダイエットの効果も下がってしまいます。
そこで、ウォーキングなどの運動をおこなえば、筋肉量の低下を防いで、ダイエット効果を高めてくれます。(参考論文:Preserving Healthy Muscle during Weight Loss、Moderate exercise attenuates the loss of skeletal muscle mass that occurs with intentional caloric restriction-induced weight loss in older, overweight to obese adults)
さらに、加齢によっても筋肉量は徐々に減ってきますが、ウォーキングなどの運動をすることで、ある程度は防ぐことができます。(参考論文:A systematic review of the separate and combined effects of energy restriction and exercise on fat-free mass in middle-aged and older adults: implications for sarcopenic obesity)
このようにウォーキングは、筋肉量をキープすることで、ダイエットに効果的に働きます。とくに、ウォーキングを坂道や階段などでおこなえば、筋肉への負荷が高まるので、よりいっそう効果的です。
内臓脂肪が燃える
内臓脂肪を燃やすもっとも効果的な方法の1つは、「有酸素運動」を習慣的におこなうことです。数多くの研究によって実証されています。(参考論文:A systematic review and meta-analysis of the effect of aerobic vs. resistance exercise training on visceral fat、A dose-response relation between aerobic exercise and visceral fat reduction: systematic review of clinical trials)
ウォーキングは有酸素運動の1つです。
上記でご紹介した、2014年の研究では、50~70分のウォーキングを週3回、12週間続けてもらったところ、体脂肪は平均1.5%、ウエスト周りは平均2.8cm減りました。さらに、ウエスト周りにある「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の両方が有意に減っていたことが確認されています。
(根拠論文:Effect of walking exercise on abdominal fat, insulin resistance and serum cytokines in obese women)
また、2002年のマイアミ大学(米国)による、56名を対象にした研究では、次の2つのグループの、12週間後の身体の変化を比べました。
- 食事のカロリー制限 + 1時間のウォーキングを週5回
- 食事のカロリー制限のみ
結果は、ウォーキングをしたグループの方が、ウエスト周りと体脂肪がより多く減っていました。
(根拠論文:Dose-response effect of walking exercise on weight loss. How much is enough?)
このように、ウォーキングを習慣的におこなえば、内臓脂肪を効果的に燃やしてくれます。
ウォーキングで痩せるには1日8,000〜10,000歩が目安
ウォーキング「だけ」で、効果的に体重を落とそうと思えば、1日8,000〜10,000歩が目安になります。時間にすれば、やや速歩きで1時間〜1時間半ぐらいです。距離にすれば5.5~7kmぐらいです。
これぐらいの歩数を毎日歩けば、体重が減ることが、実証研究でも確認されています。
2016年の35名の過体重の方(BMI25以上)を対象にした研究では、1日10,000歩のウォーキングを12週間続けたところ、「体重・ウエスト周り・体脂肪、が有意に減少した」ことが確認されました。
日常生活のなかで、意識して歩く時間を増やせば、けっして達成できない歩数ではありません。ぜひ、これを目標にウォーキングに取り組んでみてください。
ウォーキング1ヶ月でダイエットするためのやり方・コツ
ここでは、ダイエット効果を最大限高めるための、ウォーキングのやり方・コツをご紹介します。
日常生活の一部にして習慣にする
ウォーキングでダイエットを成功させるには、とにかく習慣として長く続けることが大切です。
習慣として続けるためには、無理をしてはいけません。そこで、ウォーキングを日常生活の一部に組み込んでしまうのがおすすめです。
たとえば、買い物に歩いて行く、通勤で一駅歩く、エレベーター禁止で階段を使う、食後に散歩をする、休日はなるべく外出して歩く、などです。
日常生活の一部にすれば、時間の節約にもなり、ストレスも少ないです。そのうえで消費カロリーを稼ぐことができます。
日常生活で歩いたうえで、ウォーキングのためにまとまった時間をとれば、よりいっそう効果的です。
速歩きをする
ウォーキングは、速く歩けば歩くほど、消費カロリーは高くなります。
少し歩幅を大きくして、足の回転も速くして、速く歩くことを意識してみましょう。
ずっと速歩きが難しい場合は、部分的に速歩きをするのも効果的です。たとえば、10分間の速歩きと、10分間のふつうの速さの歩きを、交互に繰り返すといった方法です。
階段を登る、坂道を歩く
ウォーキングで、階段を登ったり、坂道を歩けば、筋肉への負荷が高まり、消費カロリーは増えます。
さらに、足(脚部)の筋肉量もキープできるので、ダイエット効果をよりいっそう高めてくれます。
万歩計アプリを定期的に確認する
スマホには、歩いた歩数や距離を計算してくれるアプリがあります。これを使って、自分がどれだけ歩いているのかを、定期的に確認してみましょう。
もし、歩数や距離が、目標に届いていなければ、日常生活のどこでウォーキングの時間がつくれるのか、生活習慣を見直すことができます。
ウォーキングと合わせて筋トレと食事管理もやればダイエットに効果的
ウォーキングだけも、ある程度は体重を落とせますが、やはり限界があります。
ウォーキングと合わせて、「筋トレ」もおこなえば、よりいっそう効率的にダイエットができます。(参考論文:Comparative effectiveness of aerobic, resistance, and combined training on cardiovascular disease risk factors: A randomized controlled trial、Aerobic or Resistance Exercise, or Both, in Dieting Obese Older Adults)
筋トレは、筋肉量をキープする(または増やす)ことで、基礎代謝を高めてくれます。基礎代謝とは、何もせずに生きているだけで消費するカロリーのことで、毎日の消費カロリーを底上げしてくれます。(参考論文:The effect of exercise interventions on resting metabolic rate: A systematic review and meta-analysis)
フィットネスジムに行くのも1つの方法ですし、自宅でトレーニングする場合は「オンラインフィットネス」が、時間も費用も節約できておすすめです。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
また、運動とあわせて「食事管理」もおこないましょう。
効果的に痩せるための食事方法については、こちらの記事に詳しくまとめています。ぜひ、参考にしてみてください。
まとめ:ウォーキング1か月でダイエットはできる!
ウォーキングは、習慣的におこなえば、きちんと体重を落とすことができます。効果的にダイエットするためには、1日8,000〜10,000歩が目安です。研究によれば、1ヶ月で1kg前後の体重減が期待できます。
ウォーキングは特別な準備がいらず、日常生活のなかに組み込みやすい運動です。ぜひ、積極的に取り組んでみてください。
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