「カロリーメイトはおやつに食べたら太る?」
「食事をカロリーメイトに置きかえるダイエットはやせる?」
「カロリーメイトの代わりにおすすめの食品は?」
手軽に栄養補給ができて便利なカロリーメイト。名前のとおり、カロリーが高いイメージはありますが、ダイエットには効果的なのでしょうか?
ネット上では「カロリーメイトダイエットで痩せた」という記事も見かけたりします。実際のところどうなのでしょう?
結論からお伝えすると、カロリーメイトはダイエットには不向きな食品といえます。
この記事では、現役トレーナーである筆者が「カロリーメイトがダイエットに不向きな5つの理由」と「代わりになるおすすめ食品」を解説しました。
もし、カロリーメイトをよく食べていたり、これから食べることを考えていたのであれば、この記事を参考にしてみてくだい。
せいじ
NSCA認定パーソナルトレーナー(国際資格)/ダイエットまっぷ運営・執筆者/オンラインダイエット指導 BeShape 代表/健康運動実践指導者/学生時代にスポーツ医科学を専攻し、有名実業団チームのトレーナーとして経験を積む。その後、留学などを経て独立/大阪生まれの30代/趣味は読書と旅行
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カロリーメイトとは?
カロリーメイトとは、大塚製薬が販売する栄養調整食品のことです。
「いつでもどこでも手軽に栄養補給」がコンセプトで、コンビニやスーパーをはじめ、日本国内で広く普及しています。
1983年から販売されているロングセラーの食品です。
カロリーメイトダイエットは太る可能性がある
カロリーメイトは、手軽に栄養補給ができて便利な面もありますが、ダイエットには不向きの食品といえます。
理由は次の5つです。
- カロリーが高い
- たんぱく質が少ない
- 糖質が多い
- 食物繊維が少ない
- 脂質の質が良いとはいえず、量もやや多い
それぞれ解説していきます。
〈カロリーメイトのカロリー・栄養バランス〉
*カロリーメイト2本入 | *カロリーメイト4本入 | |
カロリー | 200kcal | 400kcal |
たんぱく質 | 4.2g | 8.4g |
糖質 | 20.4g | 40.7g |
脂質 | 11.1g | 22.2g |
食物繊維 | 1g | 2g |
*チーズ味
(参考:カロリーメイト 公式サイト)
太る理由①:カロリーが高い
カロリーメイトは、1本あたり100kcal、4本で400kcalになります。
カロリー | |
カロリーメイト2本入 | 200kcal |
カロリーメイト4本入 | 400kcal |
(参考:カロリーメイト 公式サイト)
400kcalを運動で消費しようと思えば、ウォーキングで2時間弱、軽いジョギングで1時間弱かかります。(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット 活動量の評価法)
それなりに大きなカロリーです。カロリーメイトをおやつのように食べると、カロリーの取り過ぎにつながるので、太りやすくなります。
また、食事をカロリーメイトに置きかえるのも、おすすめできません。
たしかに、食事を抜けば、カロリーの取り過ぎはおさえることはできます。ですが、後ほど解説するように、カロリーメイトの栄養バランスはダイエット向きではないため、ダイエットに必要な栄養素が不足するので、痩せにくくなってしまいます。
太る理由②:たんぱく質が少ない
たんぱく質とは、筋肉をはじめ、カラダの材料となる栄養素のことです。豆類、魚、卵、乳製品、肉などにたくさん含まれています。
カロリーメイトは、たんぱく質が少ないです。4本食べても、たんぱく質は8.4gしかとれません。
たんぱく質 | |
カロリーメイト2本入 | 4.2g |
カロリーメイト4本入 | 8.4g |
(参考:カロリーメイト 公式サイト)
厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」では、たんぱく質の1日の推奨量として、次のように定められています。(参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準)
- 成人男性:65g(1食あたり21.7g)
- 成人女性:50g(1食あたり16.7g)
このように、もし食事をカロリーメイトに置き換えてしまうと、1食あたりの推奨量に対して、たんぱく質はかなり不足してしまいます。
効果的なダイエットのためには、たんぱく質をしっかり食べないといけません。これは数多くの研究によって実証されています。(参考論文:A high-protein diet for reducing body fat: mechanisms and possible caveats、参考論文:The role of protein in weight loss and maintenance)
理由は次のとおりです。
- 筋肉の材料になって代謝を上げる(参考論文:Dose–response relationship between protein intake and muscle mass increase: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials)
- 食欲が満たされ空腹になりにくいので、余計なカロリー摂取が減る(参考論文:Contribution of gastroenteropancreatic appetite hormones to protein-induced satiety)
- たんぱく質を消化吸収するときにもカロリーを消費する(参考論文:The effects of high protein diets on thermogenesis, satiety and weight loss: a critical review)
このように、ダイエットにおいて、たんぱく質が不足してしまうのは大きなデメリットになります。
太る理由③:糖質が多い
糖質は、カラダのエネルギーになる大切な栄養素ですが、取り過ぎると、太る原因になってしまいます。
カロリーメイトは糖質量が多いです。4本入で、糖質は40.7gあります。
糖質 | |
カロリーメイト2本入 | 20.4g |
カロリーメイト4本入 | 40.7g |
(参考:カロリーメイト 公式サイト)
たとえば、おにぎり1個(100g)の糖質は39gなので、カロリーメイトとほぼ同じ糖質量です。(参考:文部科学省 食品成分データベース)
これは、カロリーメイトをおやつとして食べるには、糖質が多すぎるといえます。
また、糖質の「質」も良いとはいえません。
カロリーメイトの糖質は、「小麦粉や砂糖」が原材料です。これらは加工された糖質です。体内ですぐに消化吸収されるため、血糖値を上げやすく、体脂肪が増えやすいという特徴があります。(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット インスリン、参考論文:Changes in diet and lifestyle and long-term weight gain in women and men)
太る理由④:食物繊維が少ない
カロリーメイトでは、食物繊維があまりとれません。4本入でも、食物繊維は2gだけです。
食物繊維 | |
カロリーメイト2本入 | 1g |
カロリーメイト4本入 | 2g |
(参考:カロリーメイト 公式サイト)
厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」では、食物繊維の1日の目標量として、次のように定められています。(参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準)
- 成人男性:21g(1食あたり7g)
- 成人女性:18g(1食あたり6g)
もし、食事をカロリーメイトに置き換えてしまうと、1食あたりの目標量に対して、食物繊維がかなり不足してしまいます。
食物繊維がダイエットに効果的なことは、多くの実証研究によって確認されています。
たとえば、1,114名の米国人を、5年にわたって調査した研究では、「積極的に食物繊維(水溶性)を食べた人は、そうでない人と比べて、内臓脂肪が7.4%低く、皮下脂肪も3.6%低くなる」ことが確認されています。(根拠論文:Lifestyle factors and 5-year abdominal fat accumulation in a minority cohort: the IRAS Family Study)
食物繊維がダイエットに効果的な理由は、次の4つです。
- 食欲を満たされやすいので、余計なカロリー摂取が減る(参考論文:Viscosity as related to dietary fiber: a review)
- 糖質の吸収スピードをゆっくりにして、血糖値の上昇をおさえてくれる(参考論文:Fiber and prebiotics: mechanisms and health benefits)
- 腸内細菌を増やすことで、体脂肪が燃えやすくなる(参考論文:The role of short-chain fatty acids in the interplay between diet, gut microbiota, and host energy metabolism)
- 体内の炎症がおさえられる(炎症には、肥満との関係性がある)(参考論文:Whole-grain, bran, and cereal fiber intakes and markers of systemic inflammation in diabetic women)
このように、ダイエットにおいて、食物繊維が不足してしまうのはマイナス効果になります。
太る理由⑤:脂質の質が良いとはいえず、量もやや多い
脂質はダイエットの敵と思われがちですが、正しくいえば、脂質には「良い脂質」と「悪い脂質」があります。「良い脂質」はダイエットにも必要であり、「悪い脂質」は減らすべきです。
良い脂質とは、青魚に含まれる脂質(不飽和脂肪酸:オメガ3系)や、オリーブオイル、アボカド、ナッツなどに含まれる脂質(不飽和脂肪酸:オメガ9系)のことです。
これに対して、悪い脂質とは、お菓子などの加工食品に含まれる脂質(トランス脂肪酸)です。また、肉類や乳製品に含まれる脂質(飽和脂肪酸)や、サラダ油などの調理用油に含まれる脂質(不飽和脂肪酸:オメガ6系)も控えめにすべき脂質です。
カロリーメイトの脂質の種類については、表示がありません。原材料を見たところ、「良い脂質」である不飽和脂肪酸(オメガ3系、オメガ6系)は含まれていません。
また、大塚製薬のウェブサイトでは、
トランス脂肪酸量は低く抑えたものを使用しており、製品にもほとんど含まれていません
引用:大塚製薬 よくあるご質問 カロリーメイト
と明示されています。
したがって、原材料(マーガリンや脱脂粉乳など)から推測するに、カロリーメイトの脂質には、乳製品由来の飽和脂肪酸が多く含まれていると考えられます。
これは、どちらかといえば控えめにするべき脂質です。
また、カロリーメイトは脂質の量も多めです。4本入で、脂質は22.2gです。
脂質 | |
カロリーメイト2本入 | 11.1g |
カロリーメイト4本入 | 22.2g |
(参考:カロリーメイト 公式サイト)
厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」では、脂質の1日の目標量として、次のように定められています。(参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準)
- 成人:総カロリーの20~30%
たとえば、1日の摂取カロリーが1,800kcalの人であれば、脂質の目標量は40~60g(1食あたり13.3〜20g)です。
食事の代わりにカロリーメイトを食べると、1食あたりの目標量に対して、脂質はとり過ぎになってしまいます。
カロリーメイトでダイエットに成功した人がいるのはなぜか?
カロリーメイトダイエットでも、たしかに痩せることがあります。なぜかというと、食事をカロリーメイトに置きかえることで、摂取カロリーが減るからです。
私たちが、ふだんの食事でとるカロリーは、だいたい次のとおりです。(参考:農林水産省 一日に必要なエネルギー量と摂取の目安)
- 成人男性(運動少ない):2000~2400kcal(1食あたり667~800kcal)
- 成人女性(運動少ない):1,400~2,000kcal(1食あたり400~667kcal)
たとえば、女性で1食あたり600kcalを食べる人なら、カロリーメイト4本入(400kacl)に置き換えることで、200kcalをカットできます。カロリーが減った分だけ、体重は落ちることになります。
これがカロリーダイエットでも、体重が落ちる理由です。
ただし、注意しないといけないのは、「体重が落ちるのは一時的」ということです。
先ほどご説明したように、食事をカロリーメイトに置き換えてしまうと、たんぱく質や食物繊維が不足します。
このような栄養バランスだと、長い目でみれば、余計に痩せにくいカラダになります。
それに、そもそも、食事の代わりにカロリーメイトをずっと食べ続けるのは、現実的ではありません。
「カロリーメイトで痩せた」という情報は、安易に鵜呑みにしないように注意しましょう。
ダイエットでカロリーメイトの代わりになる食品
カロリーメイトと同じように、短時間でサクッと栄養補給ができて、なおかつダイエットにも効果的な食品をご紹介していきます。
ベースブレッド(BASE BREAD)
ベースブレッド(BASE BREAD)とは、1食で1日に必要な栄養素の1/3がとれる「完全栄養のパン」のことです。
※1食(2袋)で、栄養素等表示基準値に基づき、他の食事で過剰摂取が懸念される、脂質・飽和脂肪酸・炭水化物・ナトリウムを除いて、すべての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む
次の表は、ベースブレッドとカロリーメイトを比べたものです。(参考:ベースブレッド 公式サイト)
ベースブレッドの方が、「高たんぱく・低脂質・高食物繊維」で、ダイエットに最適な栄養バランスであることがわかります。
ベースブレッド1食(2個) | カロリーメイト4本入 | |
カロリー | 410kcal | 400kcal |
たんぱく質 | 27g | 8.4g |
糖質 | 40.7g | 40.7g |
脂質 | 10.8g | 22.2g |
食物繊維 | 6.2g | 2g |
ベースブレッドは袋にパッケージされているので、持ち歩きもできて、スキマ時間にサクッと食べれます。栄養価も高く、食べごたえや腹持ちもしっかりしています。
ベースブレッドのダイエット効果については、こちらの記事を参考にしてみてください。
ナッツ
ナッツは、低糖質で、良質な脂質を豊富に含みます。また、食物繊維とたんぱく質もとれるので、ダイエットに最適な食品の1つです。
カロリーも十分にあるので、しっかりエネルギー補給もできます。
また、コンビニでも買えて、持ち運びしやすいので、スキマ時間にサクッと食べることもできます。
「ナッツのダイエット効果について」は、こちらの記事を参考にしてみてください。
ヨーグルト(無糖)・チーズ
ヨーグルト(無糖)・チーズは、低糖質なうえに、たんぱく質もとれます。また、脂質とカロリーもある程度含むので、エネルギー補給ができて、それなりに腹持ちも良いです。
また、ヨーグルトには腸内環境を整えてくれる効果もあります。
長時間の持ち運びは難しいものの、コンビニでも買えて、サクッと食べられるので便利です。
ゆで卵
ゆで卵も、低糖質なうえに、たんぱく質をしっかりとれます。また、ビタミン、ミネラルもバランスよく含まれています。
最近だと、コンビニでも売っているので、忙しいときに食べるには便利です。
まとめ:カロリーメイトはダイエットに不向き!太る可能性がある
カロリーメイトは、ダイエットに不向きな栄養バランスの食品です。食事をカロリーメイトに置き換えるのはおすすめできません。また、カロリーメイトを間食をして食べるのも高カロリーすぎるので、ダイエットにはNGです。
手軽にサクッと栄養補給したい場合は、ベースブレッド、ナッツ、ヨーグルト(無糖)、チーズ、ゆで卵がおすすめです。
きっちりとダイエットをするためには、カロリーメイトに頼るのではなく、食事を改善するようにしましょう。
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